2015/12/21

てげ古物 -archive6-

帰阪した際、しこたま大阪の古道具屋と骨董品屋をまわってやろうと心に誓い、分刻みの計画をたててましたがその野望は直前でもろくも崩れ去りました。なんとたまたま「関西蚤の市」なる年1回のイベントと帰阪が重なり、結果的に関西一円の古道具屋がそこに出店していたため全くもって大阪の古道具屋新規開拓はできなくなったのです...そうなった以上、もういつものお店に向かうしかありません。そうして近鉄電車に乗り込み奈良へと向かいました。奈良にはいつも古道具の神様がいるんです笑 

「インド、グジャラート地方の古い刺繍布」
その昔、まだ仏教が浸透する前に人々が祈りをささげた布。曼荼羅の前身でもあるらしく、具体化したものではなく「星」とか「自然」に祈りをささげていた時代の物。インドの藍は、独特の風合いです。
「(またもや)動物の膀胱で作られた顔料入れ」
これは...集めたくなる形と風合い...。2個目を購入してしまいました。今回のポイントは色。濃い緑で光に透かすと非常にきれいです。


話は変わりますが、お年玉をもらう方からあげる方になり、毎年ポチ袋を自作してます。年によってテーマは違いますが、その時の自分のモードを色濃く反映させて好き勝手自分勝手につくってます。そして今年もむちむちと作って仕上げました。満足度は80点!

2015/12/20

てげメシarchive18

ここ数日、西へ東へと移動の絶えない日々が続いています。先日は久しぶりに(実に約1年ぶり!!)大都会大阪へ行き、また昨日は大分まで足を伸ばして小都会を満喫してきました。大阪の話を少し。関空から宮崎空港へ到着したのは午後7時半。延岡まではまだ1時間半かかる道のりが待っています。「なんか暖かいものでも食べたいね」と妻、「そうだね」と私。近所のラーメン屋に目星をつけて向かうが到着して気づく店の物寂しさ...営業中だけど薄暗い店内...そして生憎の雨模様...。すべてが「ここのラーメン屋では食べるな!!」という食物神のお告げのようなものを感じ、踵を返すように別の店へと向かいました。向かった先はかねてから気になっていた巨大水車のあるこれまた巨大な茶屋、その名も「山椒茶屋」。風貌は奈良と京都の県境にある「国境食堂」のような老舗感漂うお店。調べるとどうやら宮崎中心に何店舗かあるらしい。が、このお店が大当たり。店の雰囲気、店員の愛嬌、そしてうどんの味つけ、そのすべてが旅人の心に癒しを与える素晴らしい仕上がり。胃も心も満腹で帰延しました。

自家農園の野菜食べ放題、おでん食べ放題等、一見大雑把な感じがします。しかしそのすべてが素晴らしいまとまりを見せ、凄まじい間口の広さで客人を迎え入れます、まさに老若男女誰でもどんとこい!!って感じの店。実際、ラップとかしてそうな若者衆からご家族連れ、とにかく流行に敏感そうなカップルまで多数いました。
 なぜか店内に巨木。
なぜか店内に巨木2
肉うどんが好きなんです。
オーナーの趣味なのか、陶芸品がずらり。
老舗といえばなんといっても「天狗」に勝るものはない。右上の柱が「バク」みたい...笑

先日、寝起きに何気なくスマホでネットサーフィンしてたら気になる記事が...。おそらく延岡では放映されていないであろうTBSのちょっとした番組(歴史街道とか世界の車窓から的な)で延岡が取り上げられてました。しかも監修が是枝監督、ナレーションは尾野真千子でなんとも玄人感漂う番組。それは喫茶店で約40年続く名店らしかった。何を隠そうモーニング好きの我々夫婦は純喫茶好きでもある。延岡には今のところ純喫茶欲を満たす店がない。そんな時に舞い込んだ情報に心が躍り、早速車を飛ばして約30分かけて行ってきました(高速使ってます)。到着したその場所は本当に本当に素朴な佇まいで、長年その場所を守ってきた雰囲気のある店でした。

延岡市を代表する漁港といってもいい「北浦漁港」のすぐ近く。かつて合併前の町役場前にその店はありました。沖縄風の白い壁のお店。
渋すぎる店内。世代的には微妙にかすっている「机と一体型のゲーム機」が2台ありました。ともに麻雀ゲーム。地元のおじさんらしき2人がぺちゃくちゃとひなたぼっこしながら話してます。
よくばりですが、「ピラフ」「鉄板スパゲティ(ナポリタン)」「エッグサンド」「珈琲」「ミルクティー」を注文し、しばし談笑。いやーー、久しぶりの喫茶店。やっぱりいいなぁ
ご主人作の陶芸品や、壁には良い雰囲気の絵画、窓からは暖かい日差し。本でも読みながら「日がな一日」いられる場所でした。これは人来るわ...。実に名店。

※もう1店舗。
延岡駅前の食堂。暖簾の色がいい雰囲気。外観そのままの店内と味でした...笑 なかなかパンチのあるお店。



2015/12/13

てげ場所をゆく -たけたたけた②(大分県)-

竹田には古道具屋とアーティストがたくさんいる。たぶん、竹田の土地が持つパワーで引き寄せられてきてるんだろう。それは自然とか歴史とか。「城もあって隠れキリシタンの街でもあって」となれば自ずと創作意欲も湧くのかもしれない。そんなお店もいくつかまわりました。
参考にしたHPはこちら。「TAKETA ART CULTURE 2015」いやはや、どんな土地でもこーいうのやってるんやなぁ...って感じですが、暮らしを知るきっかけを与えてくれる良いイベントだと思います。しかし、前述しましたがとにもかくにも行く店行く店すべて休み!!!何たることか!!??という感じでした。というか、街全体からあふれ出す竹楽疲労感ハンパねぇ...(勝手な推測ですが)。とはいえ、いくつか伺いました。
「ギャラリー傾く家」の方がされている古道具屋。まだ名前はないようです。国内外問わずな魅力あるものがたくさんありました。小さな壺とまげわっぱを購入。
行けなかった店、古道具屋「三桁」とその1階にあるパン屋「かどぱん」。閉まっていたのがあまりに悔しかったので、店の前から電話を鳴らし続けましたが残念ながら入れませんでした...。
ぶらぶらし続けますが、やはりいっこうに開いていない店...悔し涙を振り払うように歩幅だけが大きく、そして早くなります。

行きたかったけど諸事情(開いてない)で行けなかった店リスト

行く予定ではなかったけど行ってみてよかった店リスト
CAFE GRANDPA

一通り巡った後は、歴史散策。宗教とは縁遠い人生ですが、キリスト教の荘厳な感じ、静寂さが好きです。どうやら見ごたえのある歴史観光スポットがあるとのことで、いくつかめぐってきました。
切支丹洞窟礼拝堂(キリシタン洞窟礼拝堂)。岩石をくりぬいた中に、礼拝堂があります。もちろん中は入れませんが、外からでも十分見る価値のあります。   

「十字架と猪口」、老舗のしいたけ乾物屋さんに代々伝わるものらしいです。十字架は当時、まだその製法が日本に入ってきていなかったという青銅製らしい。そば猪口は、クロスが印字されていて切支丹のものだとか。価値のありそうなものなんでさぞかし大切にしまわれているのかなとおもいきや、レジ後ろの戸棚からほろりと出されてきました。店先で孫らしき男児がおばあちゃんに小遣いをせびってたのが何ともおもしろかったです。
しかし、竹田はほんとにフォトジェニックな街。どこを切り取ってもなかなか絵になります。気になるもの多すぎ...。
斬新な、角に看板。
どこでもドアで、扉をあけたら実はリスボン...
ジョリー??
1軒目「井の蛙」、2軒目「エアポート」、そして朝まで「ロン」
一か所だけあった素敵な路地。
豊作すぎる大根たち。
トタン萌え。種苗。
いやぁ、大分は温泉だけじゃありませんねぇ。

2015/12/10

てげ場所をゆく -たけたたけた①(大分県)-

先日、どうにもこうにも暇な日が一日できたので大分県までドライブがてら行ってきました。目的地は「大分県竹田市」。実質片道1時間半かかるような場所ですが気分としては近所の遊び場にさくっと行く感覚で。
どんよりとした天気で一人旅の寂しさを演出するにはもってこいの雰囲気。しかし寂しい感じとは裏腹に、国道を猛スピードで駆け抜けます。向かった日のちょうど1週間前に市をあげての大大大イベントである「竹楽(ちくらく)」というのが催されていたためか、生気の抜けたような街並みでお目当ての大半のお店が閉まってました。精も根も尽きたって感じ。
向かってから気づいたんですがかの有名な滝廉太郎の育った街らしく、「荒城の月」の構想を練った街でもあるらしい。(滝廉太郎って23歳で亡くなってるんやな...)
大分銀行の駐車場に「土日は観光客の方、お停め下さい」と親切丁寧な張り紙がしてあったので駐車して、ぶらぶらと街歩き開始。
さすが城下町だけあって古い街並みが幾重にも続いている。そしてさらには何と何と「切支丹(キリシタン)」の里でもあったと聞き、散策に熱が入る...!!
古い街並み(右手は閉まってたギャラリー)
ギャラリーの前にあった作品?らしきもの。こーいうの、大好物です...。ギャラリーKATAMUKUIE
やんわりカラフルで分厚いガラス
静まり返った街の雰囲気を敏感に察知し、おそらく空いてるであろう記念館や美術館をひとまず回ることに。まず向かったのは「滝廉太郎記念館」。幼少期に育った立派なお屋敷が記念館になっており、中庭には岩を大きくくりぬいて作った馬小屋があった。受付の女性がやたらと派手ないでたちで、荒城の月とはかけ離れた印象を与えることに少し違和感を感じる。※基本、記念館内撮影禁止、でも強行撮影。
その後、噂に聞いていた「滝廉太郎トンネル」をくぐる。確かにオルゴールのような曲がぽろんぽろんと流れる...笑 だいぶ渋い。
しかし、滝廉太郎なんて正直小学校の音楽の時間に聞いた以来でなんとも懐かしい感じがする...。奈良県の小学校で学んだことが、30歳も過ぎて一人旅していた大分県で思い出すなんて...。
ずんずん散策は続く。竹田には見るからに古い街並みが多い。明治、大正、昭和初期ぐらいの建物だろうか。風情があってまだまだ現役なところが良い!
見る限り、本は置いてなさそうだったが「書店」らしい。
この1,000円は高いのか安いのか...
通る際は、是非千鳥足で挑みたい。 
竹田は岩が多い。そして岩をなんやらして活かしている場所が多い。これは駐車場にあった岩を利用した倉庫??的なもの。
滞在は3時間までと決めていたので食事もたたたっと済ます。古道具屋の若い人に「ホテルの1階にあるレストランがおすすめですよ」と言われ、これも縁かなと言われるがままにお店へ。と、これが本当に大当たり。小鉢の量が半端なく、さらには味付けもおいしい。ナイス提案!!
ビジネスホテルつちやの1階、味どころ「つちや」これめちゃめちゃおすすめ店。
 
早歩きというか、もはや小ダッシュでの散策は続く。

2015/12/07

てげ古物 -archive5-

最近、古物欲が止まりません。そしてその欲に比例するが如く素晴らしい古物屋との出会いが九州で続いています。アンティークショップと違い、古物屋さんは敷居が低く接しやすい方が多い(私見です)。私は買うか買うまいか「云々」と唸って5~10分ほど店頭で悩むこともしばしば、先日も藍染の蚊帳生地を悩んでたら安くしてくれたということがありました。違いますけど皆さんの大切な子供を引き取って行ってるような...笑 そんな感じで古物を持って帰ってます。
※蚊帳は4m×4mほどの大きさで、所々継ぎがほどこしてあり良い雰囲気でした。が!!帰宅して手洗いしてみると溜まりに溜まった汚れが出るわ出るわ...洗いながら「これ一生洗い続けんときれいにならんかも...」と不安もよぎりましたが無事なんとなく形にはなりました。

「(おそらく...)すんころく/宋胡禄
きわめて良いくびれと極めてよい色合いが気に入り購入。大きなかけがあって継がれている為かお安く購入できました。直感的に「これは日本のじゃないかも!?」とか「なんか良い雰囲気!!」と手に取って買いましたが、帰宅後WEBを漁るとほぼほぼこれに違いないという陶器がわんさか出てきました。どうやら古美術界ではメジャーなタイの陶器っぽいです。非常に小さいので当時は薬入れとか石灰入れとか?だったとのこと。

「パンか巻物かを運ぶ女性像」
前述した藍染の蚊帳を購入した店で購入(というか正確に言うともらった...)。素材は不明ですが、錫とか鉄とか銅だと思う。ずっしり重くて分銅かな?と思いましたがバランス悪いので考えにくいかも...。もしかしたら普通に現行品で(お菓子のおもちゃとか)、珍しい物じゃないかもしれませんが妙に惹かれて購入。只今玄関に鎮座中。
「まげわっぱ(形状違い2つ)」
みなさんご存じの曲げわっぱ。こんなのもたまに購入します。あまり日本の物は買いませんが、単純に「古くて風合いのある木製品」として購入してます。あと、微妙にすべて形とか形状(蓋の開き方)が違うので集めたくなる古物の一つ。