2016/12/13

ニシタチの夜、はしご酒

11月の半ば、大阪から友人が来宮。土曜日の夕方ということもありせっかくなので宮崎市内で呑むことにしました。宮崎市にはそこそこの繁華街がありそれとなく賑わってるらしいで、とは噂に聞いてたけど実は初めて呑みます、宮崎市内。印象としては凄くコンパクトな街でホテルも飲食も服とかカフェもだいたいが「ギュッ」とかたまってる(もちろん地方ならではで郊外にも名店は多い)。
全く予習してこんかったけど、まずはホテルにチェックインして「KIMAMA BOOKS」で立ち読み。その後、いわゆる「ニシタチ」付近をぶらぶら散策。
人もまばら、ニシタチ。
噂に違わぬスナックの頻度。
手掛かりは外観の雰囲気と店外に出してる「今日のおススメ」的黒板のみ。同じ個所を何度かぐるぐる散策し、1軒の店前で足が止まりました。何軒か気になる店はあったものの、今日はココ。
黒木笑店 
宮崎県宮崎市中央通8-9  0985-31-5917
もはや肉、トロサバ。ほか手羽から揚げも美味。
日本酒も豊富だったので米の味にしばし舌鼓。やはり宮崎市内まで来るとわかりやすく美味しい店が多そうだ(延岡は名店発見センサーが狂うほどに店を探す難易度が高い)。お腹もそこそこに一旦お会計を済ませてしばしぶらぶら。路地も多いし猫も多い。ただ人はそこまで多くなくて歩きやすい。変なキャッチもいないから身の危険を感じずに済む安全な地帯(笑)。しかし居酒屋にスナックにキャバクラに純喫茶にと全部を詰め込んだようなニシタチ。きらびやかで大きく胸元の開いたドレスを着た女性たちがでーーーんと引き延ばされた看板が大衆居酒屋の横なんかにさらっと掲げてあったりする。
次回は必ず...「蚤の市
スタスタと、猫
凝視、猫
画がナイス、イカロスみたい。
一通り散策し、考察した後はお目当てにしてた店「BUENA VISTA」へ。ここは外観からしゃれまくってて予てから気になってました。いよいよドアを開ける時が!巨大サボテンを横目に入店。雰囲気は思ってたよりカジュアルな感じで若そうなマスターがやってました。カウンターとテーブルで最大でも20人ほどの店内。ラムが有名らしいけどもはやmy定番の「ラフロイグ」を注文。レーズンバター美味し。
BUENAVISTA 
宮崎県宮崎市中央通2-24  0985-26-0252
とくれば、ソシアルクラブ。チャンチャン。
目の前には老舗バー「赤煉瓦」。さすがに紳士淑女が出たり入ったり。
威張る...のか?
人情横丁。夏の方がええな。
最後はラーメンで〆。いろいろ悩んだ挙句、二度目の訪問になる「SOUL麺」にした。相変わらずオープンテラス感MAXの店内、というかもはや店外。冷えた体に冷えたビールを流し込み、ラーメンを待つ。しかし、何を間違ったか油そばを頼んだ私...。温かいスープ...。
SOUL麺  
宮崎県宮崎市千草町1-1 ABC90ビル 1F 090-1362-5522
めちゃ旨、ですがやはり温かいスープを...
たっぷりニシタチの夜を満喫しました。ここにきて人の賑わいはピーク感あり。深夜12時を超えてもなお人足は途絶えない。これが「最終(電車)のない街か...」と友人談。深夜にミスドでたむろする若者に「この時間にドーナツ...!?」と突っ込んでました。しかしこのミスド、調べたら深夜3時まで営業してるみたい...いろいろおかしいニシタチの夜...

2016/12/11

思ったよりノスタルジー。

小さいころから望郷を思う心が長けていたのかはたまた前世の因果か、ノスタルジーに浸るのが得意だった。初めての場所に行くとき、必ず「ここで生まれ育ってたら...」と妄想し、少し不自由さの中にいた(ここがポイント)であろう自分を想像するのが好きだった。距離が遠いところになればなるほど、そして人々の日常を見れば見るほどその思いは色濃くなり、容易に涙腺を刺激した(泣くこたぁ実際ないけど)。

小学生の頃、必ずやってくる週末の少年野球がたまらなく嫌で仕方ないとき。朝ごはんを食べながらテレビから「知ぃ~らなぁ~いぃ~まぁ~ちぃ~を~・・・」と流れてくる「遠くへ行きたい」のテーマソングを聞き、「俺もグラウンドではないどこか遠くへ行きたい...」と切に願っていた。

中学生の頃、必ずやってくる週末の部活動の野球がたまらなく嫌で仕方ないとき。朝ごはんを食べながら新聞テレビ欄に載ってる「渡辺篤史の建もの探訪」を見れないのが物凄く嫌で、3年の部活終了と同時に毎週見まくってノスタルジーに浸っていた(なぜか切なさを感じる番組だった)。

高校生の頃、必ずやってくる毎日と週末の部活動の野球はそこまで嫌いではなかったが、どちらかというと遠征で行く初めての街を歩く方が好きだった。そして夜更かしをしてMBSの「見参!アルチュン」の妄想散歩を見るのがたまらなく好きだった(藤谷文子は今何をしてるんだろう)。音楽に興味を持ったのもこの頃で、これまたMBSの「ザ・個室関係」というぶっ飛んだ音楽番組を見るのも好きやったなぁ。

と、諸々個人的なことを書きましたが11月前半、急用で少しだけ奈良へ行ってきました。
庄屋さんでしょうか、立派な土壁。
夕焼けと蜘蛛。
男衆だけでスーツのまま軽トラックの荷台に乗り込み、氏寺で真新しい木製の墓標を担がされ、そのままスコップを持って土を掘って真っ直ぐ立てた。まるで民俗資料館の中からそのまま出てきたような、はたまた土葬の名残なのか、リアルノスタルジックな経験を夕焼けの奈良盆地ど真ん中でしてきました。写真撮ればよかった...。

帰りは清武町のラーメンで〆。
麺屋とまと 宮崎加納店 
宮崎県清武町加納乙449-1 0985-34-9202

1泊2日、しいば旅(、らしい場所)

朝、雲海を見に行く話もしていたが体力の限界が近そうだったので早々に諦め、ゆっくりと朝食を頂く。朝日が心地良いが足元は寒い、10月といえど椎葉の暮らしは厳しいのだ。とはいえ今日は朝から行くお約束をしてる場所があり、いそいそと準備をして龍神館を後にする。お母さんありがとう、ご飯本当においしかったです。
夜が暗く長い分、朝の光は待ち遠しく心地よい
毛並みのいい猫が2匹。「シャーーー!」ってなってた。いつも動物に好かれない。
龍神館、全景
昨日通ってきた道を引き返す。目的地までは約1時間。ダム湖の水面が美しい。なみなみと蓄えられた水。人間の知恵と自然。たまに木々の間から見える風景にハッとなる瞬間があり、車を停めて写真を撮る。そんなことをしながらあっという間の1時間ドライブ。
ガードレールに上ってパシャリ。落ちたら湖底へ一直線。
無事定刻で到着すると、既に準備は整えられていて「いつでもOK!」状態だった。何をするのかというと、「栗饅頭」を作ります。しかも普通の民家で...笑 今はもうあまりされていないようだが、かつて絶大な人気を誇ったという椎葉の栗饅頭。(妻が)無理を言って今回は作って頂けることになりました、ありがとうございます。しっかり者のお母さんとにこやかなお父さんに出迎えられいきなり饅頭づくりスタート!いきなり団子ならぬ椎葉はいきなり饅頭..といってもやってくれるのはほぼお母さん...我々は「ほー!」とか「へーー!」とか「そうですかー!」なんか言って見てるだけ、そして食べるだけ...汗 手際の良さとプロの道具に魅了されました。
少しだけお手伝いしたコネコネ、しかし昨日今日とコネってばかり。
KINFOLK的な?
自休自足」的な?
おいしくない訳がないです。
できたて、きれい...
できたて、おいしそう...
饅頭の出来立てを頂きました。外側もさることながらお母さんお手製の栗餡がめちゃめちゃうまい...ほくほく饅頭をはぐはぐ頂きました。ご自宅にはニワトリもいて、さらに畑ではいろんな農作物を栽培されている、眼下には川もあるから天然の鮎だって釣れる。湧水もあるから水も最高にきれい。贅沢極まりない生活。でもその反面、厳しい自然と対峙して共存されている。饅頭だって買いに行くところがないから甘いものが食べたくなったら作るしかないよね、シンプルだけどなかなかできない生活、ごちそうさまでした。
甘いものを食べたところでちょうど時刻はお昼前。「お昼もどう?」とお誘いを受けて図々しくも頂きました。即席テラスで天然の鮎塩焼きに煮しめ、白米、お漬物。さらにお父さんの昔話も聞きながらおいしく頂く。2度目のごちそうさまでした...笑
鮎からはおいしい川の香りがした。
真っ白って人間でも猫でも映えるね。
お腹もいっぱいになり、お土産までたらふく頂いて家路に。優しさに感動したなぁ...ほんといつまでもお元気で長生きしてください。我々はよくない添加物ばっかとってるから多分早死にだろう...。現代人の医療の進歩と食生活の乱れは反比例。

帰り道、いつものルートとは違う道で帰ってみた。椎葉の2つ隣の町、美郷町。古い家屋が残ってたり、怪しげな「カニ屋」だったり寄り道して帰宅。しかし椎葉に行くたび生活レベルの高さに驚く。絶対良いのはわかってるけど便利を一度でも経験した我々は、こんなたくましい生活できるんだろうか...
売店だったのかな? in美郷町
山太郎のことでした。in美郷町

1泊2日、しいば旅(山奥で陶芸)

10月後半の土日で椎葉村へ宿泊しに行ってきました。もう丸1か月半前の話、というのが信じられません。既に半年前ぐらいの感覚、全く時が過ぎるのは早い。
椎葉へ向かう途中、軽快に車を走らせてると「工事中、この先交互通行」の看板。暫くして停車する車1台あり、その後ろにぴったりと車を付けて我々も停まります。こういうことは山道ではよくあるのです。だいたい1分~5分ぐらいのカウントダウン方式の信号機があり、1車線になってる工事中の山道でも安全に離合できるよう考えられたものです。※どんなものかイメージできない都会育ちの方はご参照を。
しかし今回は何か勝手が違う...。よくよく見てみるとカウントダウンの数字がとんでもなく長い!!!というか1時間単位ぐらいの交互通行なってる...!!!と若干度肝抜かれましたがたまたまあと10分ほどで通れる時刻だったので、道路脇に設置してあった「休憩所」で呑気にテレビを見て新聞なんかをパラパラとめくって時間つぶし。コンビニ弁当の空きパックが散乱してて作業員の健康状態が気になりました。
9時40分ぐらいに到着してたらえらいことなってたな...笑
お昼前には椎葉村に到着し、初めて入るカフェでランチ、その名も「二鶴(にかく)」。てっきり和風の雰囲気かと思いきや和風なのは入り口まで。店内は至って普通のカフェでした。二鶴は旅館でもあるらしく、入り口は旅館風の佇まい。ジェノベーゼを注文するがパスタなどのメニューに紛れて「馬刺し」があり、思わず注文しそうになった。
おしゃんな店内。二階なので光がよく入ってきます。
ジェノベーゼパスタ。しかし和え物は和風。これで450円、コスパ高すぎ。
その後、なんだかんだあって妻は「カフェにかく」でエステを受けることになり、私は1時間ほど時間が空いてしまったので少し散歩することに。いつもは車で通る通称「椎葉銀座」をとぼとぼと歩く。いい天気だったので皆さん洗濯物を干しに干しててなかなかのカラフルさ。木漏れ日が暖かかったり、いつも閉まってて入れなかった気になる店に入れたりして大満足でした。
なかなかの傾斜、杖必須。
初めて入るお店はいい意味で期待を裏切るシイタケ屋でした。こっそり撮影。
何の木か不明。ビラカンサ...?
その後、椎葉銀座の端っこにある民俗芸能博物館に久しぶりに入館。この博物館、侮るなかれ本当に素晴らしい博物館なのです。展示物の充実度や見せ方、また人の少なさも含めるとかなりのおススメ度。じっくり観覧し、控えめなミュージアムショップを冷やかし、さらに独り占めできる地下の図書コーナーで「民族学」のバックナンバーを見まくり、そして朝練で疲れた授業中の学生みたいに突っ伏せて寝ました。
かわいすぎる太鼓。アンニュイな表情。
エステ終わりの妻と合流し、いざ本日の目的地「向山窯」へ向かう。博物館のある上椎葉からも約40分かかる奥地にその場所はあります。途中、道に迷いながらもなんとか到着すると立派なログハウスのお宅でした。椎葉の山奥でログハウス、似合わない訳がありません。雰囲気のいいご主人と奥様に出迎えられしばし作品を見て想像を膨らます。釉薬や土のストック(種類)が多く、かなりの研究熱心と推測できる窯元...。建築系の仕事をしてたようだがやはり理系脳は凄い。自慢ではないが私はバリバリの文系なのでこういう部分は少し羨ましくもある。
向山(こうざん)窯 HP
椎葉村大字不土野409 TEL 0982-67-5238
作品一部。形、釉薬、温度などかなり試行錯誤されてるよう
作品も一通り見せていただき、いざ実践!土をコネコネ、パンパン、ギュギュっとこねる。私がイメージしたのはタイの焼き物、宋胡禄(すんころく)と小壺をミックスさせたようなもの。くびれがあって、口がシュッとしてる感じ。格闘すること約1時間ちょっと、窯元にも助けられてなんとか形になりました。しかしこの作業場、BGMもなければ車も通らない、大自然とは壁一枚で隔てられてるだけでほんとに集中できる。張り詰めた空気の中で心地よく作業できました。素晴らしい。
小壺、醤油皿、茶碗(妻)を仕上げた
気付けば辺りは真っ暗、無音の世界に変わってました。今まで目の前にあった雄大な山谷が暗闇で一気に姿を消すものの、見えてないだけで目の前にあの山谷(自然)があるかと思うと少し怖い。。おいしいお茶とお漬物を頂きしばし談笑。人生いろいろだけど、やはり生まれ故郷への思いは変わらない。特別な場所。「後日、釉薬をかける時にまたお邪魔します」と別れ、今日のお宿「龍神館」へ向かう。道中は想像を超える暗さだったが何とか鹿、イノシイをひかずに到着できた。暗くてわからなかったけど立派な木造のロッジ風の龍神館、お母さんが優しく出迎えてくれて(本当に)豪華なお食事を頂きました。この日はお酒も飲まず、ベッドに横になった瞬間夢の中へ...
森の民宿 龍神館 HP
宮崎県東臼杵郡椎葉村大字下福良2090 TEL 0982-67-2261
山、川の幸とお母さんの愛情です。
おやすみなさいzzz